スキーは1980年代の大学生なら、一度は体験したスポーツ。たとえ運動神経がないと自分ではわかっていても、「女の子とゲレンデでふたり、、、」なんてありえもしない想像をしてしまい、そして大けがをしてしまうのである。 妙高高原の赤倉スキー場は、良質でやけに熱っくて、それがまた冬の寒さにはええときている温泉が湧くスキー場だ。チャンピオンから初心者までコースも多彩 で、同じグループで滑っていても、だれかが丘をへだてたコースに行くともう宿に戻るまで顔を見ないなんてことも起こる。 ゲレンデでのまず第一歩は、みんな一同に会するのだけれど、なにせコースも豊富な赤倉スキー場。知らないうちに、数名のグループに分かれる。 「あいつらふたり顔見なかったなぁ」 「ふたりっきりで滑ってるの?」 「どうなんだろう」 「そろそろ晩飯やで、どうする津金澤ゼミの人に先に食べてもらう?」 「ゼミ委員なんやから、さすがに時間には戻ってくるやろ」戻っては来たけれど、松葉杖をつきながら。 疲れたカラダで、女の子にええとこみせよと思って国体チャンピオンコースに果 敢に挑んでのことらしい。ふたりはこの後、紆余曲折もあったけれど結婚した。おめでとさんである、しかしチャンピオンコースで骨を折ったその日は、おりしも彼の誕生日であった。 スキー場やテニスコートでは、男も女もなぜか格好よく見えてしまう。そして、それを自分の実像だと信じてもて、無茶をしてしまう。これが間違いのもと。スキー場で合った人に、梅田であってガッカリした。そんな話しもよく聞いた。 そんなもんである、たまたまエエ様にみえただけなのだ。しかし、人生なんてそのたまたまの連続なんである。運よく、自分は事故に遭わなかったりするだけで、そのかわり誰かが合っているのだ。 スポーツをする姿がかっこよく映るのか、はたまたなにかに打ち込む姿がええのか。わたしはゲレンデで写 真を撮りながら、ひとつ発見したことがある。 それはゲレンデは雪で真っ白、だから光の反射が大きい。ゲレンデで女の子を見てると、キラキラ輝いているように見えるのだ。 自分から「デカイ大きい」と嘆く浜崎りえ(津金澤ゼミ)さん。ゲレンデではスーパーモデル、めゃかわいいのです。そうか、この光がくせもの、レンブラントの光と同じなんだ。目がくらんで、ますます格好よく見える。これが原因のひとつであるとスキー場でも実験実習さながら考察する私でした。 それとあのど派手なスキーウェアにも。目立つのである。そりゃ遭難すれば、目立つ服装のほうが良いに決まっている。現にチャンピオンコースで骨折の彼は、ちゃんとラッセル車に発見!救助されたのである。 服装でええ格好ができる、そしてゲレンデの雪でその人に後光がさすのである。「南無さんだぁ」いや「アーメン」でありんす。 つづく→