「集団力学と私2」関西学院大学佐々木薫教授最終講義2003.1.22

2003.1.22(wed)関西学院大学第2時限10:50-12:20、B204号教室で
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 大学時代、行政をあきらめて教育原理か哲学かなぁと、思っているとき教育心理学の演習と言うのがありまして、グループダイナミックスの生みの親レビィンの書いたものを原書で読んでまして、ソーシャルコンフィデンスとか、それが非常に面 白くて。


  ドイツでナチスが台頭し始めたとき、ユダヤ人に対する迫害がはじまると思いユダヤ人のレビィン(Kurt Lewin 1890年- 1947年)はアメリカに亡命したのですね。


「そこでアイオワ州立大学の児童福祉学部に籍を置いて、一番有名なのはリーダーシップの実践的研究です。独裁型、民主型、放任型、これは後で付け加わるのですが、そうしたリーダーによっていかに集団が変わるかを実験データでしめした。


  レビィンの頭の中にはドイツのナチス政権が独裁型で典型としてあって。それが集団に与える影響というものを、アイオワ州立大学の付属小学校で研究したわけです。


  課外活動のリーダーとして大学院生に独裁型、民主型のリーダーとしてをしてもらい、それが小学生達にどのような影響をもたらすかを。ただ民主型のリーダーが放任をしていて、それで付け加わるわけですが。これはこれでおもしろいのですが、あまり深入りするとこの話だけで終わってしまいますので・・

 
 私が大学生の時もうひとつおもしろいなぁと思った研究があります。パジャマを作っている工場、そこでの現場実験やっているんですが、はやり廃りがあるパジャマ、色んなはやり廃りに合わせて配置替えや仕事の変更をしたい。


  しかし会社が方針を説明せず配置替えや仕事の変更するとやっと熟練工として育てた女工さんが「私は会社にとって必要な いのでは」とやめていってしまう。


 そこで配置替えが必要になったときに色んな事情を説明する。うれ筋のパジャマと売れないパジャマを見せて社員に選ばせる、そんな中から今の流行を知ってもらう。一方的に会社が指示していたのを、配置替えや仕事の変更をしたい、こう言うものを決定をするときに参加してもらう。新しい仕事に替わらなくてはならない、でもそれを決めたのは自分たちであると。


  そう言う手続きを経ると熟練工が辞める事も少なく、最初は作業効率は下がりますがすぐに生産能力も上がる。パーティシペイションとこの研究者は呼びましたが、参画することで新しい職場にもすんなりと入っていける。


  この研究は同じ研究者がノルウェーに行って靴製造工場でやったのですがあまり成果 を挙げていない、文化の違いからですか、思うような結果は得られていません。大学生の時に読んだこの実験が心に残っています。
→つづく


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