|
今日はなんの日
世の中には佐々木ゼミ時間なるものが存在する。
「今日、実験やのにあいつ来ないよ・・」
「えー。また寝てるんちゃうん?」
「ごめんねぇ」と実験が終わってやって来たあの子。
そんなご経験は佐々木ゼミ生ならだれしもある?!これはなんとも学生時代だけに限ったことではない。そんなわけでコンパの集まりでも、ガボルでも遅れることは当たり前なのである。そしてよく約束を忘れることも。
「あ!お久しぶりです。藤井さん、ジョンさんの弟さんに連絡しといてくれました?」
「お!お!忘れとったわ。今から連絡してええ」2003年10月15日の水曜日の夜、どういうわけか集合時間よりかなり早くに集まりだした佐々木ゼミ関係者。
そこへ「みなさん今日はなんの集まりで」と圓山くん登場。「圓山、今日東急ハンズ休み?でもハンズのデカイつつみ持ってどうしたん?」
「いやぁ、これ単に安眠枕ですわぁ。ところでそこで安田が笛吹いてますね」神戸元町の町はミュージックウィークで駅前広場でコロンビア人のケーナ演奏がおこなわれている。その人込みの中からほんまに安田博昭くんが笛吹いて登場。
「北川部長、お疲れさまです。あぁ今、津乗専務と山藤常務も・・」
「ええっと。ここ佐々木ゼミの・・?」
「岡本敦子さんですか?平野サリーさんは北野から直接お店の方へ向かわれますので、僕たちとご一緒に」
「あぁ!まこさんごめん」
「ゆうさんお久しぶりで」
「あんなぁ、今日電話してもてん。集まる場所どこかわからんで。奥村さん今修学旅行に出ていて、今日の夜は千春さんとふたりで食事に出かけるとか言うてたで、それでなんか話があわんのよ。それでメール読み返してみたら、奥村さんにはナイショなんやでなぁ、今日の件。ごめんなぁ、でも奥村さん気がついてないみたい」いつもの岡田ゆうさんが戻ってきた気がしたのはボクだけではなかった。
「広田!こんなところでどうしたん?」どこかで聞いた声が元町駅の改札口から聞える。
「今日はボク千春さんとふたりで食事しょって元町に」それじゃぁ!と言われて戸惑う広田氏。せっかくのポケットにしのばせた白手袋もムダになるのか・・。あやうし広田さん。
改札をのこのこ出て来た奥村豊さんと千春さん。駅前広場で「あれ?どうしたん。みんなこんなとこに集まって?あれ?あれ?」と皆の顔をみわたす奥村さん。
「あぁ!ゆうさん。今日のコンパ?!ってこのこと」
「奥村さん、何言うてますの。きょうはなんの日?」
「千春さんが企画してくれたんです。奥村さんの誕生半世紀コンパしょうって」
「奥村さん、どこ行く気で・・」
「いやぁ、千春さんが先週へんな事言うから。来週修学旅行でおらへんで、って言うたら、顔色変えて「いつ帰る」て。15日には帰るでって言ったら、その日はボクの誕生日だからふたりで食事にでも夜出かけましょうと。で、美味しいもん食べにふたりでこうして元町に出かけてきたのよ。そう言えば、こないだも外になかなか出てこないカンちゃんがへんな時間に急に来たよ。
昼とか夜に来たら一緒に食事でも出来てボクも喋れたのに。それで「へんな時間にきてって言ったらカンちゃんしょげて帰ったって千春さんにえろう怒られてもて。それでカンちゃん携帯で操作できるラジコンカー2台持って。謙ちゃんにプレゼントやって。なんかへんやなぁ・・って思っとったんよ。あれもこう言うことやったんかぁ。カンちゃんに悪いことしてもたなぁ、てっきり謙二へのプレゼントやと」
「ホントはカンちゃん今日来るつもりが、ダメになってそれで奥村さんところに。パーマンも東京から来る予定が急に労使交渉とかでダメになって」
「ほんまカンちゃんええやつやなぁ」
「そうでしょう、カンちゃんらしい」震災以降涙腺の弱くなった豊さん、うーここで泣かれたらどうしょう。元町駅前広場で50歳になったばかりのおっさん泣く!なんていうのも・・・。
「ボク達に会ってやっとわかった?」
「そう言えば広田や関学中高等部の時に友人にも会うし、今日はめでたい日やなぁ!って思って。あもしかして広田もコンパに誘った? どうしょ、広田どこいってもた?」
のんきなおくむらさんであった。
|
|